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iPaaSとRPAの基本的な違い
iPaaSとは、Integration Platform as a Service(インテグレーション・プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の略称で、ビジネスプロセスの効率化や自動化を実現するサービスのことです。
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称で、人間がPCで行う作業を自動化するソフトウェアのことです。
iPaaSはシステム同士をつなぐ自動化ツール、RPAはPC操作の自動化ツールという違いがあります。
自動化対象の種類と用途の違い
iPaaSは、企業内のシステム同士を接続するための自動化ツールであり、データ連携やAPIの管理、ワークフローの自動化などに使用されます。
一方、RPAは、ルーティンワークや繰り返しの作業など、人間が手作業で行う業務を自動化するためのツールです。
iPaaSもRPAもどちらも業務プロセスの自動化を目的とし、システム間の連携を容易にすることができますが、業務課題やニーズ、目的によって使い分けが行われています。
iPaaSの目的と対象業務
iPaaSの主な目的は、システム間の連携やデータの一元化です。iPaaSは複数の異なるアプリケーションやシステムを統合し、シームレスなデータ連携を実現します。
複数のクラウドサービスのデータの移動や変換をサポートします。
RPAの目的と対象業務
RPAは、ルーティン業務や繰り返し業務の自動化による効率化に焦点を当てています。RPAは、人間が手作業で行っているパソコン業務の動きを記憶し、自動化します。
特定のタスクや業務プロセスにフォーカスしており、主に事務処理やデータ入力などのルーチンワークを効率化します。
運用・管理の方法の違い
iPaaSの多くはクラウドサービスとして提供されているため、利用企業側がサーバーの運用やセキュリティの対策をする必要がありません。システムのアップデートやメンテナンスなども、全てサービスプロバイダ側が行ってくれます。
一方で、RPAは自社内にパソコンの用意やシステムを構築する必要があるため、管理者が必要となります。
業務プロセスやサービスの仕様やUIが変更された場合には、RPAの変更・更新も必要になるため、定期的なメンテナンスが必要です。
また、セキュリティの面でも自社内で運用しているため、自社内でのセキュリティ対策が求められます。
管理者がいない場合は、外部のシステム開発会社などに運用・管理を委託することもできますが、その場合もコストや契約内容などをしっかりと把握し、リスクを最小限に抑える必要があります。
活用する際のメリット・デメリット
iPaaSやRPAを導入する際のメリットは、次のように挙げられます。
メリット
- 業務プロセスの自動化による効率化が可能。
- 導入コストが比較的安く、既存システムとの親和性が高い。
- iPaaSは多様なシステムを統合できるため、業務プロセス全体を自動化することができる。
- RPAは人手によるミスを減らすことができるため、業務の精度向上につながる。
一方、導入する際のデメリットは、次のように挙げられます。
デメリット
- 自動化するプロセスの設計や構築にはある程度専門知識が必要。
- 自動化できるプロセスには限界があるため、完全自動化ができない場合がある。
- 自動化による人員削減が起こる可能性があるため、社員のモチベーション低下などの問題が発生する可能性がある。
以上のように、iPaaSやRPAを活用することで、業務プロセスの自動化による効率化や業務の精度向上が期待できますが、専門知識が必要であり、自動化できるプロセスには限界があるため、導入前に慎重な検討が必要です。
企業における適切な選択ポイント
iPaaSとRPAはそれぞれ異なる用途に向いており、企業が選択する際には、自動化する業務プロセスの種類や規模、必要な機能、導入コストなどを考慮する必要があります。例えば、業務プロセスが複雑で複数のシステムを連携させる必要がある場合はiPaaSが適しています。一方、簡単なルーティンワークやデータ処理の自動化にはRPAが適しています。
導入前に押さえるべきポイント
iPaaSやRPAを導入する前には、自動化する業務プロセスの分析や設計、必要な機能や規模、セキュリティ対策などを確認する必要があります。また、サービスプロバイダの信頼性や導入コスト、運用管理の方法なども考慮する必要があります。また、導入後のトラブル対応や運用管理についても、事前に対策を考えておくことが重要です。
RPAとiPaaSの違いまとめ
iPaaSとRPAはそれぞれ異なる用途に向いており、企業が選択する際には、自動化する業務プロセスの種類や規模、必要な機能、導入コストなどを考慮する必要があります。導入前には、自動化する業務プロセスの分析や設計、必要な機能や規模、セキュリティ対策などを確認し、トラブル対応や運用管理についても対策を考えておくことが重要です。