バックオフィス部門が抱えやすい業務課題

バックオフィス部門が抱えやすい業務課題

バックオフィスは、人事・総務・経理・情報システムなど幅広い業務がある中で、どの部門も定型作業や問い合わせ対応など、人手に頼る業務が多くあります。本章では、バックオフィス部門で発生しやすい4つの業務課題を紹介します。

定型作業や手入力に時間がかかる

バックオフィスでは、Excelへのデータ入力や集計、システム間の転記、請求書の処理、ファイルのダウンロード、定型メールの送信など、決められた手順を繰り返す定型業務が多く発生します。一つひとつは単純な作業でも、毎日・毎月繰り返すことで多くの時間が必要になります。

また、紙やPDFで受け取った請求書や申込書の内容を確認し、Excelや業務システムへ手入力している場合、入力だけでなく内容の確認にも時間がかかります。人が入力・転記することで、入力ミスや転記漏れが発生する可能性もあります。
こうした定型業務に多くの時間を取られると、業務改善や企画など、本来注力したい業務に十分な時間を確保できなくなることも課題です。

社内からの問い合わせ対応に時間を取られる

人事・総務・情報システムなどのバックオフィス部門には、経費精算や休暇申請などの社内ルール、各種申請の方法、業務システムの操作方法など、従業員からさまざまな問い合わせが寄せられます。

マニュアルやFAQを用意していても、「どこに書いてあるのか分からない」「必要な情報を探すのに時間がかかる」といった理由から担当者へ直接問い合わせが入り、同じ内容への回答を繰り返しているケースもあります。
問い合わせが発生するたびに作業を中断して回答する必要があるため、担当者が本来の業務に集中しにくくなります。問い合わせ件数が多い企業では、回答する側だけでなく、回答を待つ従業員側にも待ち時間が発生するため、社内全体の生産性にも影響します。

業務が属人化しやすい

バックオフィス業務では、長年同じ担当者が業務を行っていることで、作業手順や判断基準が個人の経験や知識に依存してしまうことがあります。「この業務は○○さんしか分からない」といった状態になると、その担当者が不在の場合に業務を進められない可能性があります。
特に、マニュアルが整備されていなかったり、業務手順が担当者ごとに異なっていたりすると、異動や退職時の引き継ぎにも時間がかかります。新しい担当者が業務を覚えるまで、周囲の社員による教育やフォローも必要になります。

安定して業務を継続するためには、担当者個人の知識や経験だけに頼るのではなく、業務手順やルールを整理し、誰でも同じように業務を進められる仕組みを整えることが重要です。

システムやツールが増え、業務が分断されている

バックオフィスの業務効率化を目的に、勤怠管理、経費精算、会計、人事労務、ワークフローなど、複数のクラウドサービスや業務システムを導入している企業も増えています。
一方で、それぞれのシステムが独立していると、「システムAに登録したデータをシステムBにも入力する」「CSVをダウンロードして別のシステムへ取り込む」といった作業が発生します。ツールを導入していても、システム間を人がつないでいる状態では、転記や二重入力といった手作業が残ってしまいます。

また、利用するシステムが増えるほど、ログインや操作方法を覚える負担も大きくなります。バックオフィス全体の業務効率化を考える際には、個々のツールを導入するだけでなく、システム同士の連携や業務全体の流れまで含めて見直すことが大切です。

バックオフィスに業務効率化ツールを導入するメリット3つ

バックオフィスに業務効率化ツールを導入するメリット3つ

業務課題に合ったツールを活用することで、作業時間の短縮だけでなく、業務品質の向上や担当者の負担軽減にもつながります。本章では、バックオフィスに業務効率化ツールを導入する主なメリットを3つ紹介します。

作業時間を削減し、業務負担を軽減できる

RPAやAI、クラウドサービスなどを活用することで、データ入力や転記、集計、書類処理といった定型業務を自動化・効率化できます。また、社内問い合わせへの回答やシステム操作のサポートなど、これまで担当者が個別に対応していた業務の負担を減らすことも可能です。

日々繰り返している作業は、1回あたりの時間が短くても、件数や頻度が増えると大きな負担になります。こうした業務をツールに任せることで、担当者は業務改善や企画、従業員のサポートなど、人による対応が必要な業務に時間を使いやすくなります。

ヒューマンエラーを減らし、業務品質を高められる

データ入力やシステム間の転記、書類の確認などを人が手作業で行う場合、入力間違いや転記漏れ、確認漏れといったヒューマンエラーが発生する可能性があります。ミスが発生すると、修正や確認、再申請などの追加作業も必要になります。

業務効率化ツールを活用して定型的な処理を自動化することで、決められた手順に沿って処理できるようになり、人為的なミスの削減につながります。作業の正確性を高めながら、確認や修正にかかる時間を減らせる点もメリットです。

業務を標準化し、属人化を防げる

担当者ごとに業務の進め方が異なっていたり、特定の担当者しか手順や判断基準を把握していなかったりすると、異動や退職、休暇などによって業務が滞る可能性があります。

ツールを活用して業務フローや申請ルール、操作手順などを仕組み化することで、担当者による業務のばらつきを抑え、一定の手順で進めやすくなります。また、業務手順が明確になることで、担当者の引き継ぎや新人教育にかかる負担も軽減できます。
特定の人の経験や知識だけに頼らない業務体制を整えることは、バックオフィス業務を安定して継続するうえでも重要です。

【課題別】バックオフィスの業務効率化におすすめのツール11選

【課題別】バックオフィスの業務効率化におすすめのツール11選

バックオフィスの業務効率化に活用できるツールは数多くありますが、解決したい課題によって適したツールは異なります。本章では、バックオフィスで発生しやすい11の業務課題を取り上げ、それぞれの課題に適した業務効率化ツールと活用方法を紹介します。

1. メールや資料作成などの文章作成業務に時間がかかる:生成AI

バックオフィス業務では、メールや社内通知、報告書などの文章作成だけでなく、必要な情報の収集・整理、会議資料やレポートの作成など、さまざまなデスクワークが発生します。情報を調べて内容を整理し、一から文章や資料にまとめるには多くの時間がかかります。
こういった文章作成や情報整理を効率化できるのが、生成AIです。

生成AIの主な種類

生成AIは、文章だけでなく、画像・動画・音声・プログラムコードなど、さまざまなコンテンツを生成できるAIです。例えば、箇条書きの情報から社内メールを作成する、長い資料を要約する、複数のWebサイトを調査して情報を整理する、Excelデータを分析してレポートにまとめる、指示した内容をもとにプレゼン資料を作成するといった使い方ができます。

これまで「調べる→整理する→文章や資料にまとめる」と人が行っていた一連の作業をAIに支援してもらえるため、バックオフィスのさまざまなデスクワークを効率化できます。
また、生成AIによって得意分野が異なり、文章作成にはChatGPTやGemini、情報収集にはPerplexity、資料・レポート作成にはGensparkなど、目的に合わせて使い分けることも効果的です。

代表ツール

  • ChatGPT
  • Gemini
  • Claude
  • Perplexity
  • Genspark
  • Microsoft 365 Copilot

活用用途別生成AI

種類 用途・活用例 代表ツール
テキスト生成AI 文章作成、要約、校正、アイデア出し ChatGPT、Gemini、Claude
検索・リサーチAI 情報収集、Web調査、情報整理 Perplexity、ChatGPT、Gemini
データ分析AI Excel・CSVなどの集計、分析、グラフ作成、傾向の抽出 ChatGPT、Gemini、Claude
資料・レポート生成AI プレゼン資料、レポートの作成 Genspark、Gamma
画像生成AI 画像・イラスト・デザイン素材の生成 Adobe Firefly、Midjourney
動画生成AI 動画の生成・編集 Sora、Veo、Runway
コード生成AI プログラム、VBA、SQLなどの作成 GitHub Copilot、ChatGPT
音声・音楽生成AI ナレーション、音声・音楽生成 ElevenLabs、Suno

2.社内からのルール・制度に関する問い合わせが多い:生成AIチャットボット

生成AIチャットボットは、社内マニュアルや就業規則、FAQ、各種資料などを登録することで、従業員からの質問に対してAIが回答を生成する

人事・総務・情報システム部門には、「経費精算のルールを教えてほしい」「休暇申請の方法が分からない」「就業規則を確認したい」といった問い合わせが日常的に寄せられます。
マニュアルやFAQを作成していても、「どこにあるか分からない」「探すのが面倒」といった理由から活用されず、同じ質問が何度も繰り返されてしまいます。そのたびに担当者が対応するため、本来の業務が中断されてしまいます。
こうした社内問い合わせの繰り返しや、問い合わせ対応による担当者の業務負担を軽減できるのが、生成AIチャットボットです。

生成AIチャットボットは、社内マニュアルや就業規則、FAQ、各種資料などを登録することで、従業員からの質問に対してAIが回答を生成するツールです。
従来型のチャットボットは、あらかじめ用意した質問・回答やシナリオに沿って案内するものが中心でした。一方、生成AIチャットボットは、質問の意図や文脈を読み取り、登録された社内資料などから必要な情報を探して回答を生成できます。そのため、質問の言い回しが異なっていても柔軟に対応しやすい点が特徴です。

「経費精算のルールを知りたい」「○○の申請書はどこにある?」といった自然な文章で質問するだけで、関連する情報をもとに回答します。マニュアルを探す手間を省き、24時間いつでも必要な情報を確認できるため、問い合わせ削減や担当者の負担軽減につながります。

代表ツール

  • Chat Plus
  • IZANAI powered by OpenAI
  • ChatGPT Enterprise
  • Gemini Notebook

3. システム操作に関する問い合わせが減らない:DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)

DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)は、利用しているシステムの画面上に操作ガイドや入力方法などを直接表示できる

経費精算や勤怠申請、ワークフローシステムなど、社内で利用しているシステムでは、「どこをクリックすればいい?」「この項目は何を入力すればいい?」「この操作で合っている?」といった問い合わせが日常的に発生します。

特に、新しく導入したシステムや利用頻度が低い機能、年末調整や異動手続きなど年に数回しか行わない業務では、操作方法が分からず担当部門へ問い合わせるケースが増えます。マニュアルを用意していても、画面と見比べながら確認したり、必要なページを探したりする手間がかかるため、結局担当者へ問い合わせてしまいます。
こうしたシステム操作の分かりにくさや、それに伴う問い合わせ・マニュアル確認の負担を解決できるのが、DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)です。

DAPは、利用しているシステムの画面上に操作ガイドや入力方法などを直接表示できるツールです。生成AIチャットボットのように利用者自身が質問するのではなく、実際に操作している画面やタイミングに合わせて必要な案内を表示できます。
マニュアルを探すことなく画面上で操作方法を確認できるため、システムに関する問い合わせや教育コストの削減、入力ミスの防止につながります。

代表ツール

  • Fullstar
  • Onboarding
  • テックタッチ
  • WalkMe
  • Pendo

4. PCで繰り返し行う定型作業が多い:RPA

RPAは、人がパソコン上で行っている日次・週次・月次の定型的な作業をソフトウェアロボットに記憶・代行させて業務プロセスを自動化する

紙文書・Excelからシステムへのデータ入力、複数システム間の転記、ファイルのダウンロード、定型メールの送信、Excelデータの集計・整形など、バックオフィスにはパソコン上で繰り返し行う定型作業があります。
定型作業を毎日・毎月繰り返すことで担当者の負担が大きくなるだけでなく、手作業による入力漏れや転記ミスも発生しやすくなります。このような作業負担の軽減や人的ミスの防止に役立つのが、RPAです。

RPAは、人がパソコン上で行っている定型的な操作をソフトウェアロボットに代行させるツールです。あらかじめ設定したルールや手順に沿って正確に処理できるほか、人がパソコンを操作していない時間帯にも自動で業務を実行できます。そのため、毎日・毎月発生する大量のデータ処理や、夜間・早朝に実施したい業務にも活用できます。

また、ExcelやWebブラウザ、業務システムなど、複数のアプリケーションをまたいだ一連のPC操作を自動化できることもRPAの特徴です。例えば、Excelのデータを集計・加工して業務システムへ登録し、処理が完了したら担当者へメールを送信するといった一連の作業を自動化できます。さらに、AI-OCRなどのツールと組み合わせることで、紙やPDFの帳票から必要な情報を読み取り、そのデータを業務システムへ登録するところまで自動化するといった活用も可能です。

RPAを活用することで、日々繰り返しているPC作業を人の代わりに実行できるため、作業時間の削減や人的ミスの防止だけでなく、担当者がより重要な業務に時間を使える環境づくりにもつながります。

代表ツール

  • RoboTANGO
  • WinActor
  • AUTORO
  • UiPath
  • Power Automate Desktop

5. クラウドサービス間でデータを手作業で連携している:iPaaS・AIワークフロー

iPaaS・AIワークフローは、生成AIや異なるクラウドサービス・システム間をつなぎ、データ連携や一連の処理を自動化できる

営業管理、会計、勤怠管理、チャットなど、複数のクラウドサービスを利用していると、「あるシステムに登録された情報を別のシステムにも入力する」「CSVをダウンロードして別のシステムへ取り込む」といった作業が発生します。
また、メールやチャットで届く連絡や添付ファイルを担当者が一件ずつ確認し、内容に応じてファイルを保存したり、必要な情報をシステムへ登録したり、関係者へ共有したりする業務もあります。人が都度確認・判断して処理するため、件数が増えるほど確認の手間がかかり、対応漏れや確認漏れにつながる可能性があります。
システム間の転記や二重入力に加え、こうした情報の確認・振り分け・登録など、一連の作業を自動化できるのが、iPaaSやAIワークフローです。

iPaaSやAIワークフローは、異なるクラウドサービスやシステムをつなぎ、データ連携や一連の処理を自動化できるツールです。例えば、フォームに申し込みがあったら顧客管理システムへ自動登録して担当者へチャットで通知する、メールで請求書を受信したら添付ファイルを指定のクラウドストレージへ保存するといった、複数のサービスをまたぐ業務を自動化できます。

システムごとにデータを入力・更新したり、届いた情報を確認して次の処理へ回したりする手間を減らせるため、作業時間の削減だけでなく、転記ミスや入力漏れ、対応漏れの防止にもつながります。さらにAIを組み合わせることで、受信したメールや文書の内容を読み取り、分類・要約したうえで、内容に応じた処理へ自動で振り分けるといったことも可能です。あらかじめ決められた条件で処理するだけでなく、AIによる内容の理解を組み合わせることで、自動化できる業務の幅を広げられます。

代表ツール

  • JENKA
  • Asteria Warp
  • Zapier
  • Make
  • Power Automate

6. 請求書や申込書などの入力作業に時間がかかる:AI-OCR

AI-OCRは、紙やPDFなどに記載された文字をAIで読み取りテキストデータ化するため入力工数や人的ミスを削減できる

請求書や注文書、申込書など、紙やPDFで受け取った情報を確認し、Excelや業務システムへ手入力する作業は、件数が増えるほど担当者の負担が大きくなります。
また、手入力では金額や日付、会社名などの入力ミスや入力漏れが発生する可能性があるため、入力後に別の担当者が内容を確認するダブルチェックを行っているケースもあります。ミスが見つかれば、入力担当者への差し戻しや修正、再確認が必要となり、入力作業以外にも多くの時間がかかります。
こうした紙・PDFからのデータ入力や確認、修正にかかる負担を軽減できるのが、AI-OCRです。

AI-OCRは、紙やPDFなどに記載された文字をAIで読み取り、テキストデータ化するツールです。請求金額や会社名、日付などの必要な項目を自動で読み取れるため、担当者が一つひとつ手入力する作業を削減できます。手入力する箇所を減らすことで、入力ミスや転記漏れの防止にもつながります。

さらに、AI-OCRで読み取ったデータは、API連携やRPA、AIワークフローなどを活用して、その後の処理につなげることも可能です。例えば、請求書をAI-OCRでデータ化し、読み取った内容を確認したうえで会計システムへ登録するといった一連の業務を自動化できます。
紙やPDFの内容を「確認して手入力する」作業から、AI-OCRがデータ化した内容を「確認する」作業へ変えることで、入力から確認・登録までにかかる業務負担を大幅に減らすことができます。

代表ツール

  • DX Suite
  • RECERQA Scan
  • スマートOCR
  • LINE WORKS OCR
  • SmartRead

7. 契約書の作成・押印・締結・管理に時間がかかる:電子契約システム

電子契約システムは、契約書の送付から署名・締結、保管までをオンライン上で行うことができる

紙の契約書では、契約書の印刷や製本、押印、郵送、返送、保管など、契約を締結するまでに多くの作業が発生します。相手先へ郵送してから返送されるまで時間がかかるほか、「契約書を送付したものの、相手先の確認が完了しているのか分からない」といった状況も発生します。
また、締結した契約書を紙で保管している場合、必要な契約書を探したり、契約期間や更新時期を確認したりする作業にも手間がかかります。契約件数が増えるほど、契約書の締結から保管・管理までにかかる業務負担も大きくなります。
このような契約書の作成・送付・締結・保管・管理にかかる業務負担を軽減できるのが、電子契約システムです。

電子契約システムは、契約書の送付から署名・締結、保管までをオンライン上で行えるツールです。紙の契約書のように印刷・製本・押印・郵送する必要がなく、相手先もオンライン上で確認・署名できるため、契約締結までにかかる時間を短縮できます。
また、契約書の送付・確認・署名といった現在のステータスをシステム上で確認できるため、「誰の確認で止まっているのか」「署名が完了しているのか」といった進捗も把握しやすくなります。締結済みの契約書も電子データとして一元管理できるため、過去の契約書の検索や確認も効率化できます。
さらに、電子契約システムによっては、アクセス権限の設定や操作履歴の記録、本人確認、契約書の改ざんを検知する仕組みなどを備えています。契約書を適切に管理できる環境を整えることで、コンプライアンスやセキュリティ面での管理強化にもつながります。

代表ツール

  • DocuSign
  • クラウドサイン
  • GMOサイン
  • Adobe Acrobat Sign

8. 経費精算や交通費申請に時間がかかる:経費精算システム

経費精算システム

経費精算では、領収書を確認しながら金額や支払先を入力したり、交通経路や運賃を調べたりするほか、申請後には上長による承認や経理担当者による確認も必要です。
特にExcelや紙で管理している場合、手入力による入力ミスや記入漏れ、領収書・申請書の紛失などが発生する可能性があります。また、承認状況を把握しにくく、申請内容に不備があれば差し戻しや修正、再申請も必要になります。
そのため、申請が集中する月末・月初には、申請者だけでなく、承認者や経理担当者の業務負担も大きくなります。
このような経費精算における入力・確認・承認・管理にかかる業務負担を軽減できるのが、経費精算システムです。

経費精算システムは、経費の入力から申請、承認、経理担当者による確認まで、一連の経費精算業務をシステム上で行えるツールです。製品によっては、領収書をスマートフォンなどで撮影するとAI-OCRが金額や日付、支払先などを読み取り、申請データを自動作成できる機能も備えています。申請者は読み取られた内容を確認し、必要に応じて部門や負担部門、勘定科目などを選択することで申請できるため、一から入力する手間を減らせます。
さらに、申請金額や所属部門、経費の種類など、あらかじめ設定した条件に応じて適切な承認ルートへ自動で振り分けることもできます。申請者が承認者を確認して回覧したり、承認者へ個別に連絡したりする手間を減らせるほか、現在の承認状況もシステム上で確認しやすくなります。
経費精算に必要な情報をシステム上で一元管理することで、申請者の入力負担だけでなく、承認者の確認作業や経理担当者のチェック・管理業務も効率化できます。入力ミスや申請漏れ、承認漏れを防ぎやすくなり、経費精算業務全体の効率化につながります。

代表ツール

  • 楽楽精算
  • ジョブカン経費精算
  • マネーフォワード クラウド経費
  • ハーモス経費
  • バクラク経費精算

9. 稟議・申請・承認に時間がかかる:ワークフローシステム

稟議書や各種申請を紙やExcel、メールなどで行っていると、申請書の作成や提出だけでなく、承認者への回覧や進捗確認、承認後の書類管理などにも手間がかかります。
また、「誰の承認で止まっているのか分からない」「承認依頼のメールが埋もれてしまった」といった理由から、承認漏れや対応の遅れが発生することもあります。申請内容によって承認者や承認ルートが異なる場合は、申請者が適切な承認先を確認する手間も必要です。こうした申請・承認にかかる手間や、進捗管理・承認漏れなどの課題を解決できるのが、ワークフローシステムです。

ワークフローシステムは、稟議や各種申請のフォーム、承認ルートなどをシステム化し、申請から承認までの一連の流れを管理できるツールです。申請内容や所属部署、金額などの条件に応じて承認ルートを設定できるため、申請者が承認先を確認して個別に回覧する手間を減らせます。
また、申請・承認の状況をシステム上で確認できるため、「誰の承認で止まっているのか」を把握しやすくなります。承認履歴も記録できるため、過去の申請内容や承認経緯の確認もしやすくなり、申請者・承認者・管理部門それぞれの業務負担を軽減できます。

代表ツール

  • ジョブカンワークフロー
  • X-point Cloud
  • 楽々WorkflowII
  • コラボフロー
  • バクラク申請

10. 勤怠申請や休暇申請の管理に手間がかかる:勤怠管理システム

勤怠管理システムは、出退勤の打刻から残業・休暇申請、承認、勤務時間の集計までを一元管理できる

出退勤の記録、残業・休暇の申請、勤務時間の集計などをExcelや紙で管理していると、従業員による入力・申請だけでなく、上長による承認や人事・労務担当者による確認・集計にも手間がかかります。
また、手作業で管理している場合、打刻漏れや入力ミス、申請・承認漏れが発生しやすく、その都度本人への確認や修正依頼が必要になります。月末には勤務時間や残業時間、休暇取得状況などを集計する必要があり、従業員数が多いほど人事・労務担当者の負担も大きくなります。
このような勤怠の記録・申請・承認・集計にかかる手間や、打刻・申請漏れなどの課題を解決できるのが、勤怠管理システムです。

勤怠管理システムは、出退勤の打刻から残業・休暇申請、承認、勤務時間の集計までを一元管理できるツールです。PCやスマートフォン、ICカードなどさまざまな方法で打刻できるほか、残業や休暇の申請・承認もシステム上で行えます。
さらに、勤務時間や残業時間などを自動で集計できるため、人事・労務担当者がExcelなどで集計する作業を削減できます。打刻漏れや申請漏れを通知する機能を備えた製品もあり、従業員の申請負担だけでなく、上長の承認や人事・労務担当者の確認・集計業務まで効率化できる点がメリットです。

代表ツール

  • ジョブカン勤怠管理
  • 楽楽勤怠
  • KING OF TIME
  • freee人事労務
  • AKASHI

11. 業務の進捗や担当者を把握しづらい:タスク・プロジェクト管理ツール

タスク・プロジェクト管理ツールは、業務ごとに担当者や期限、進捗状況などを登録し、チーム内のタスクを可視化・一元管理できる

バックオフィスでは、日々の定型業務に加え、社内イベントの準備や採用活動、システム導入、業務改善など、複数の担当者が関わりながら進める業務もあります。Excelやメール、チャットなどでタスクを管理していると、「誰が何を担当しているのか」「どこまで進んでいるのか」「いつまでに対応するのか」が分かりづらくなります。
また、担当者自身がタスクや期限を管理している場合、対応漏れや期限超過が発生したり、担当者の不在時に業務の状況を把握できなかったりすることもあります。
このようなタスクの進捗・期限・担当者を把握しづらいといった課題を解決できるのが、タスク・プロジェクト管理ツールです。

タスク・プロジェクト管理ツールは、業務ごとに担当者や期限、進捗状況などを登録し、チーム内のタスクを可視化・一元管理できるツールです。「未着手」「対応中」「完了」などのステータスを設定することで、誰が・何を・いつまでに対応するのかを可視化できます。
タスクごとにコメントや関連ファイル、対応履歴などをまとめて管理できるため、メールやチャットから必要な情報を探す手間も減らせます。また、チーム全体の進捗を把握しやすくなることで、対応漏れや期限超過を防ぎやすくなり、特定の担当者に依存しない業務管理にもつながります。

代表ツール

  • Backlog
  • Trello
  • Asana
  • monday.com
  • Zoho Connect
バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選

バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選

RPAや生成AI、iPaaS、AI-OCRなど、バックオフィスの業務課題に合わせたツールをまとめて紹介。

バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選
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バックオフィス向け業務効率化ツールの選び方

バックオフィス向けの業務効率化ツールは種類が多く、それぞれ得意とする業務や機能が異なります。機能の多さや価格だけで選ぶのではなく、自社の業務課題や現在利用しているシステム、実際に利用する従業員の使いやすさなどを踏まえて比較することが重要です。本章では、バックオフィス向けの業務効率化ツールを選ぶ際に確認したい4つのポイントを紹介します。

1. 自社の「ボトルネック業務」と解決したい課題を明確にする

まずは、バックオフィス全体の業務の中で「どの業務に一番時間がかかっているか」「どこでミスや滞りが発生しているか」を具体的に洗い出します。「手入力や転記を減らしたいならRPAやAI-OCR」「問い合わせ対応を減らしたいなら生成AIチャットボットやDAP」「承認待ちをなくしたいならワークフローシステム」のように、課題を特定することで選ぶべきツールのカテゴリが絞り込まれます。ツール導入自体を目的化させず、解決したい課題から逆算して選ぶことが大切です。

2.社内の運用体制(内製か外注か)やITスキルに合わせる

社内の運用体制(内製か外注か)やITスキルに合わせる

業務効率化ツールは、導入するだけでなく、その後の設定変更やメンテナンス、業務の変化に合わせた見直しなど、継続的な運用が必要になる場合があります。そのため、導入後に社内で誰が開発・設定・運用保守を担うのかをあらかじめ整理し、自社の運用体制やITスキルに合ったツール・サービスを選ぶことが重要です。

自社で運用(内製化)する場合

自社で設定や運用を行う場合は、専門的なIT知識がなくても現場の担当者が操作できるか、ノーコード・ローコードで設定できるかなどを確認しましょう。また、担当者がツールの使い方を習得し、継続して運用できるよう、初期研修や操作講習、マニュアル、問い合わせ窓口など、ベンダーのサポート体制も重要です。特定の担当者だけに運用が集中しないよう、複数人で管理・運用できる体制を整えておくこともポイントです。

社内リソースが不足している場合

ツールを活用したくても、「設定できる担当者がいない」「日々の運用まで手が回らない」といった場合は、すべてを自社で行う必要はありません。ツールの導入・設定を支援してもらえるサービスや、実際の業務まで委託できるBPO・BPSなどを活用する方法があります。自社で対応する業務と外部へ任せる業務を整理し、無理なく継続できる運用方法を選びましょう。

3. 既存システムとの「データ連携性」を確認する

勤怠管理、経費精算、会計システム、ビジネスチャットなど、すでに利用している既存ツールとスムーズに連携できるかも重要なポイントです。ツールを新しく導入しても、システム間でCSVデータの出力・取込を手動で行うような手間が残ってしまうと、かえって業務が複雑化してしまいます。API連携が可能か、あるいはiPaaSなどを活用して自動でデータを行き来させられるかを事前に確認しましょう。

4. 無料トライアルを活用し「現場の使いやすさ」を検証する

どれだけ機能が優れていても、実際に操作する現場の従業員や担当者が使いこなせなければ社内に定着しません。多くのツールで提供されている無料トライアルやデモ画面を活用し、「画面が見やすいか」「迷わず操作できるか」「マニュアルなしでも入力できるか」を事前に検証しましょう。試行運用を通じて現場の意見を取り入れながら選定することで、導入後のスムーズな定着につながります。

まとめ

バックオフィスには、データ入力や問い合わせ対応、申請・承認、契約、勤怠管理など、さまざまな業務があり、部門や業務によって抱えている課題も異なります。
業務効率化を進める際は、まず現在の業務フローを整理し、「どの作業に時間がかかっているのか」「どこでミスや確認作業が発生しているのか」「どの業務が特定の担当者に依存しているのか」を把握することが重要です。
そのうえで、業務そのものの見直しや標準化を行い、必要に応じて生成AI、RPA、iPaaS、AI-OCR、DAP、ワークフローシステムなどのツールを活用することで、作業時間の削減や人的ミスの防止、問い合わせ対応の負担軽減、属人化の解消などにつなげられます。
また、1つのツールですべての課題を解決しようとするのではなく、業務に応じて複数のツールを組み合わせることも有効です。自社の課題や業務環境、現場の使いやすさを踏まえながら、継続して運用できる仕組みを整えていきましょう。
バックオフィス業務の効率化に向けて、具体的にどのようなツールを活用できるのか詳しく知りたい方は、資料「バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選」もぜひご活用ください。

バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選

バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選

RPAや生成AI、iPaaS、AI-OCRなど、バックオフィスの業務課題に合わせたツールをまとめて紹介。

バックオフィス部門の業務自動化・効率化ツール12選
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スターティアテクノスサービス・ソリューション

スターティアテクノスでは、バックオフィス業務の効率化・自動化に向けて、業務課題の整理からツール導入、活用・定着、運用改善まで一貫して支援しています。
例えば、PC上の定型作業を自動化するRPA「RoboTANGO」、複数のSaaSやシステムを連携するAIワークフロー「JENKA」、社内問い合わせ対応を効率化するAIチャットボット「IZANAI powered by Open AI」、システム画面上で操作を案内するDAP「Fullstar」、紙帳票やPDFをデータ化するAI-OCRサービスなどを提供しています。

また、「業務を効率化したいものの、社内に改善を進める担当者がいない」「日々の業務に追われ、業務整理やツールの導入・運用まで手が回らない」といった企業もあります。
スターティアテクノスでは、こうした企業向けにBPS(ビジネス・プロセス・サービス)も提供しています。BPSでは、バックオフィス業務を単に代行するだけでなく、業務プロセスを整理したうえで、RPAやAIなどのITツールも活用しながら業務の標準化・自動化を支援します。そのため、自社で業務効率化を進めるための人員や時間を確保することが難しい場合は、ツールを導入して内製化するだけでなく、業務の一部または全体を外部へ任せることも選択肢の一つです。

バックオフィス業務の効率化を検討しているものの、「どの業務から改善すればよいか分からない」「自社にはどのツールが合うのか判断できない」「効率化を進めたいが社内のリソースが足りない」といった場合は、自社だけで進めようとせず、外部の支援も活用しながら自社に合った方法を検討してみてください。