サービス業

iPaaSとAI-OCR導入でBPO事業の作業工数とコストを大幅削減!さらに社内DXも実現

  • AI-OCRサービス「DX Suite」
  • kintone
  • Box
AMUSE株式会社様

AMUSE株式会社 DX推進部 統括マネージャー 齊藤様(右側)

人材(派遣・紹介)サービスをはじめ、イベントやコールセンター・BPO業務の受託運営など、多岐に渡り事業を展開しているAMUSE株式会社 DX推進部 統括マネージャー 齊藤様に、導入前の課題をはじめ、iPaaS「JENKA」・AI-OCRサービス「DX Suite」の活用方法・導入後の成果・効果についてお話を伺いました。

Hybrid BPOサービスによる自治体向けの給付金支援業務を運営するAMUSE株式会社

―御社の事業内容を教えていただけますでしょうか。
AMUSE株式会社様

AMUSE株式会社は、お客様の事業成功を導くため「システム」と「人」を融合させたHybrid BPO(ハイブリッド・ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という独自のサービスを提供しています。
東京本社をはじめとする全国7拠点とグループ会社2社を拠点に、イベントや国際大会の運営、スタッフ派遣など、幅広い事業を展開してまいりました。長年にわたり培ってきたホスピタリティ精神と経験豊富な人材は、多岐にわたる事業において、お客様の「運営」や「人材」に関する課題を解決します。多言語対応が可能なスタッフも在籍しており、国際的なイベントや多様な顧客ニーズにも柔軟に対応しています。

特に、自治体向けに数多くの給付金支援業務を通じて強化してきた弊社のBPO事業は、業務ノウハウと最新技術を融合させることで、さらなる進化を遂げました。多様な形式で届くデータを瞬時に電子化し、堅牢なデータベースへ自動連携する『OCR自動化とデータ連携』のノウハウを確立。これを基盤とした標準パッケージを提供することで、業務を大幅に効率化し、正確な業務遂行を確実にサポートします。また、お客様の業務フローに合わせた最適なツールとしてサービスも提供可能です。
コールセンター業務をはじめとする多岐にわたる事業において、単なる人材派遣にとどまらず、業務全体の効率化を実現するトータルサポートを提供することで、お客様の課題に真摯に向き合います。

これからも、Hybrid BPOによって最適な解決策をご提案し、お客様の事業を成功へと導いてまいります。

―DX推進部ではどのようなことをされているのですか?

DX推進部は、自治体向けの取り組みを強化すると同時に、社内の業務効率化も進めていくために設置された部門です。そのため役割は大きく二つあり、一つ目は、自治体向けBPO案件に必要となるソリューション提供やシステム構築を担うこと。二つ目は、社内におけるDX推進です。社内DXにおいては、まず各部門でどのようなツールを利用しているのかをヒアリングし、そのうえで改善の提案を行い、承認が得られれば効率化や業務改善につながる仕組みづくりを進めています。
このように、DX推進部では「自治体案件へのソリューションとシステム構築」と「社内DXの推進」という二つの柱を軸に活動しています。
また、民間企業や社外パートナーへの販売展開を強化し、全国的な販売ネットワークの拡大も図っています。

自治体のBPO業務における審査滞留とそれによる残業時間の増加が課題だった

―JENKAとDX Suiteを導入する前の課題を教えていただけますでしょうか。

弊社では、多数の自治体における給付金支援業務の運営をしてまいりました。
近年はガバメントクラウドへの移行が求められており、この動きが行政DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる契機となっています。
このような背景の中、弊社は自治体様へ提案し、業務の効率化と住民サービスの向上を目的として、サイボウズ社が提供するクラウドサービス「kintone(キントーン)icon image」を基盤としたシステム導入・活用する取り組みを実施しています。

もともと自治体向けの給付金支援業務では、申請は紙で受け付けており、従事者が直接書類をチェックシートに記入して確認するという運用を行っていました。しかし、紙による運用は、審査のために書類を人から人へ物理的に回す必要があり、どれだけ注意を払っても紛失のリスクが伴いました。そこで「紙ではなくデータで管理したほうが安全だ」という考えから、まずスキャンによるデータ化に切り替えました。以降、原本は保管し、実務はすべてデータ管理で進める体制に移行しました。

ですが、その後もまだまだ手間と工数がかかるということで課題が残りました。そこで、さらなる効率化を目指してAI-OCRサービスを導入し、必要な情報を自動で読み取ってkintoneにインポートする仕組みを取り入れました。

申請方法にはオンライン申請と郵送申請の2種類があり、オンライン申請であれば即時にkintoneへ取り込めるため、審査にすぐ着手できますが、一方で紙による郵送申請では、審査に至るまでの工程が多く、滞留が発生しやすい状況が続いていました。
自治体によっては「書類到着から2週間で審査・振込完了」といった短い期限が設けられており、大規模な自治体では100~200名規模の体制で対応するケースもありました。それでも、最初の2週間に申請が集中したことで残業が常態化し、従事者の疲弊を招きました。この影響により審査が滞り、結果としてクレームや支給遅延の発生にもつながりました。
このように、紙申請から始まりデータ化・AI-OCR・RPA導入と改善を重ねてきたものの、依然として人力を必要とする部分が多く、

  • データの集約に時間を要する
  • 審査業務の滞留と遅延
  • 滞留解消のため残業増加

といった課題が発生していました。

自治体向けBPO案件のスピードと効率化を両立する仕組みとしてAI-OCRとiPaaSを導入

―JENKAとDX Suiteの導入を決めたポイントは何ですか?

弊社のシステムはkintoneを基盤としており、他社のAI-OCRサービスやRPAを活用しながら給付金業務に取り組んでいました。しかし、当時の仕組みではAI-OCRで紙書類のデータ化は自動化できていたものの、RPAによる処理はファイルアップロードの自動化にとどまり、大きな効率化にはつながっていませんでした。そのため、「より効率的な方法はないか」「より良い仕組みを取り入れられないか」と模索を続けていました。

そうした中で展示会やイベントにも参加し、業務に役立つソリューションを探していた際に出会ったのが、AI-OCRサービス「DX Suite」です。以前利用していたAI-OCRは、期間限定の自治体案件が多い弊社にとって、社内の申請ルールや権限管理の制約からスピード感を持って活用するのが難しい状況でした。その点、DX Suiteは読取精度の高さや仕分け機能を備えており、さらに業務や案件ごとにフォルダを分けて管理できる仕組みもありました。こうした点が弊社のニーズに合致し、最終的にスターティアレイズさんからDX Suiteを導入することにしました。

また、スターティアレイズさんと密に連携を取っていく中でご紹介いただいたのが、iPaaSサービス「JENKA」です。RPAによる部分的な自動化に限界を感じていた弊社にとって、JENKAは一連の業務フローをつなげ、より高度な自動化を実現できる仕組みとして大きな可能性を感じました。営業担当の方とやり取りを重ねる中で「これなら実現できる」と具体的なイメージが湧き、導入を決断しました。

―弊社の導入支援も受けられていますが、支援内容についてはいかがですか?

JENKAのサービスを導入した際、スターティアレイズさんの導入支援プランを利用したのですが、その内容はとても心強いものでした。というのも、自治体案件は準備期間が1カ月から1カ月半と非常に短いため、手探りでツールを理解しながら構築していては間に合いません。その点、Zoomをつないで一緒に構築を進めてもらえる支援は大変ありがたく、理解と構築を同時に進めることができました。

また、自治体ごとに仕様が異なるため、毎回ワークフローを調整し、改善していく必要があります。そのため、随時適切な提案を受けたり、「どのコネクタをどう使えばよいか」を専門家に相談できたりするのは大きな安心材料でした。結果として、業務フローの改善と効率化を実現でき、導入支援には非常に満足しています。特に営業担当やテクニカル担当の方のサポートはレスポンスも早く、トライアンドエラーを繰り返しながら安心して進められました。そのため、今も導入支援を継続して利用しています。

他にも、JENKAにはヘルプセンターも用意されており、導入後も積極的に活用しています。新しい業務やこれまでと異なる使い方に取り組む際にも、問い合わせを通じてスムーズに対応できる点は魅力だと感じています。

DX SuiteとJENKAをお選びいただいた理由

【DX Suite】

  • icon image読取精度が非常に高かったこと
  • icon imageJENKAとの連携が可能だったこと

【JENKA】

  • icon image業務フローの改善策として、『自動化』+『効率化』の実現が可能だったこと
  • icon image導入支援での実際の構築フォローを行っていただけたこと

iPaaSとAI-OCR導入で実現した社内DXと自治体向け給付金業務の自動化

―どのような業務にJENKAを利用されていますか?

JENKAとDX Suiteは社内DXの推進と自治体向けの給付金支援業務に活用しています。

(1)【社内DX】OCRによる請求処理の完全自動化

弊社は人材派遣事業を展開しているため、企業や自治体に対して請求書を発行する機会が多くあります。今までは別のAI-OCRでOCR処理と手入力を併用して対応していましたが、その結果、入力作業の負担やミスが発生することが課題となっていました。

DX SuiteとJENKA導入後は、給付金支援業務で培ったノウハウを活かし、自社発行の請求書を対象にOCR処理からデータ入力までを完全自動化しました。具体的には、kintoneにPDF化した請求書データをアップロードすると、JENKAが自動でDX Suiteと連携し、OCR処理を実行してkintoneに情報を登録する仕組みを構築しました。金額や取引先担当者名といった必要な情報の入力を自動化することで、従来の手入力作業をゼロにし、さらに電子帳簿保存法への対応も兼ね、データ保管まで一連の流れで完結できるようになっています。もともとは請求関連で別のツールを利用していましたが、この仕組みを使うことでkintoneに集約することができ、費用削減や運用負担の軽減にもつながりました。

また、DX Suiteだけでは不要な帳票まで処理してしまう可能性があるため、JENKAを組み合わせて必要な帳票だけOCR処理をかける仕組みにすることで、無駄な処理を防ぎつつ、コストも最適化できています。
この仕組みによって、入力工程に人が関わる部分を最小化でき、これまで頻発していた入力の揺れや人的ミスもなくなり、業務の標準化を実現することができました。JENKAとDX Suiteを組み合わせることで、単独ではできない仕分けや変換も自動化でき、社内のDX推進に大きく貢献しています。

(2)【社内DX】帳票や資料のPDF分割

業務の中で、1つのPDFファイルを分割して扱いたい場面が多々ありました。たとえば資料の「1~2ページと5~6ページだけを抜き出したい」といったケースや、クライアントから納品書と請求書が1つのPDFで送られてきた場合などです。
現在はJENKAを使い、必要なページを自動で分割し、kintoneに登録する仕組みを構築しています。
また、社内で上席に請求書だけを確認してもらいたいときにも、納品書のページを抜いた状態でスムーズに共有できるようになりました。
私自身、毎月の請求処理でこの仕組みを活用していますし、他にもクライアントから受け取った資料を用途に応じて分割できるため、業務が格段にやりやすくなったと感じています。

(3)【BPO事業】自治体向けの給付金給付事業

JENKAとDX Suiteを活用して運用している代表的な事例が、大阪府中南部のとある市での給付金支援業務です。先ほどお伝えした通り、申請方法は郵送とオンラインの2種類がありますが、郵送申請はスキャンしたデータをアップロードし、さらにkintoneへ登録するまでの作業に多くの人員を割かざるを得ませんでした。
一部はRPAで自動化していたものの、人手を追加しなければ処理が間に合わないこともありました。

そこで、先ほどお伝えした「データ集約の遅延」「審査業務の滞留」「残業時間の増加」という3つの課題に対し、弊社では『JENKA』、『DX Suite』、『RPA』そして『Box』を組み合わせることで、抜本的な改善を図りました。

従来、RPAがローカルフォルダからkintoneへPDFをアップロードしていたプロセスを見直し、アップロード先をオンラインストレージのBoxにすることで一括処理を可能にしました。現在は、Boxに申請書データがアップロードされると同時にJENKAが自動で処理を開始し、DX SuiteによるOCR処理からkintoneへの登録までを完全に自動化しています。この仕組みにより、郵送申請書類のデータ集約にかかる時間が大幅に短縮され、人手による作業が不要となりました。
また、データ集約にかかっていた人員を審査業務へ再配置することが可能となり、処理速度が飛躍的に向上しました。さらに、業務の滞留が解消され、時間外労働の削減という大きな成果を実現しています。

導入後の具体的な効果としては、これまで6人体制で1日かけていたスキャン業務が、現在では1人で対応できるようになり、人的コストを約1/6に削減することができました。残業時間も完全にゼロにはならないものの、大幅に削減でき、余剰の人員を他業務に振り向けられるようになっています。

また、自治体案件においては、JENKAを導入したことで必要な配置人数を大幅に削減でき、業務フローもシンプルになりました。従来は工程が多く、ミスの発生や教育コストの増加が課題でしたが、JENKA導入後は「郵送物を開封してスキャンする」だけで、その後の処理が自動で進む仕組みを構築しています。結果として、業務理解までの時間も短縮され、大きく業務フローがスリム化されたと感じています。
今後は「自動審査」にも取り組み、審査工程そのものの自動化を進めることで、さらなる人員削減と生産性向上を目指していきます。

多様な自治体要件に対応するデータ加工の仕組みと納期を守る安心感が強みに

そもそもAI-OCRで処理を行っても、すべての項目を完全に正しく抽出できるわけではありません。郵便番号や電話番号の修正、特定項目を読み取らない設定などはDX Suiteでも可能ですが、JENKAを組み合わせることで、さらに一歩踏み込んだデータ加工が可能になりました。

たとえば、申請日の表記を「2025/01/01」「2025-1-1」など自治体ごとの指定形式に統一したり、電話番号や郵便番号のハイフン有無を整えたり、住所を分割または結合して登録したりと、納品先である自治体の要望に柔軟に対応できるようになりました。OCRだけでは難しいフォーマットの違いも、JENKAによる加工で解決し、kintoneに登録する仕組みを構築しています。これにより、従来手入力で修正していた作業を自動化し、納品までの時間を大幅に短縮できました。

また、以前のように納期遅延や処理件数不足を指摘されることはなくなり、処理時間を削減して審査に充てられる時間を増やせるようになりました。自治体に安心していただける体制を整えられたことは、私たちにとって大きな成果であり、こうした実績は新たな自治体案件への参画時にも強みとしてアピールできると感じています。

さらに、給付金支援業務においては「受付のためのコールセンター」「支給対象を判断するための審査事務局」「それらを支えるシステム」という三つの体制が必要となります。AMUSEでは、これらをすべて自社で構築・運営できる点も大きな強みです。特にkintoneを用いることで、審査業務やコール履歴を一元管理し、効率的かつ確実な運用を実現しました。結果として、人材の提供だけでなくシステム面まで含めたトータル運営を任せていただけるようになり、自治体からの委託案件も増加しています。

―今後の展望についてもお聞かせいただけますか?

この度の給付金支援事業で確立した成功モデルを、今後の行政支援事業の標準モデルとして横展開し、全国の自治体様へ貢献していきたいと考えています。
これまでのノウハウを活かした行政支援事業の拡大、および社内業務の効率化を図る社内DXの推進、新たな事業領域への展開を目指し、民間企業や社外パートナーへの販売展開を全社挙げて推進していきます。そのため、社内に「DX推進部」と「営業部」を新たに設立しました。
このように、私たちはHybrid BPOという独自のサービスにより、業務の開始から完了までをワンストップでご支援し、お客様の事業を成功へと導く、最適な解決策を提供してまいります。

kintoneやBox、DX Suiteを活用している企業には特にJENKAはおすすめ

―現在、iPaaSやデータ連携ツールの導入を検討している企業にメッセージをお願いします。

「こういうことできないかな」と思っても、専門用語が出てきたり難しそうだと感じたりしていて、最初の一歩を踏み出せずに諦めてしまうことが多いと思います。ですが、実際には「これってできるのかな」と思ったことのほとんどは実現できます。

特にkintoneやBox、DX Suiteを使っている企業であれば、JENKAを組み合わせることで社内業務を効率化・自動化でき、間違いなくラクになります。「それなら便利そうだ」と思えるのであれば、一度試してみる価値は十分にあると思います。

―ご協力いただきまして、誠にありがとうございました。

会社名

AMUSE株式会社
https://amuse-inc.com/

従業員規模

社員50名、パート・アルバイト825名(2025年9月末現在)

導入サービス

iPaaS「JENKA」、AI-OCRサービス「DX Suite」

利用部門

DX推進部、各支店

iPaaS導入経験

クラウドサービス・アプリ同士のデータ連携ならJENKA